― 自室 ―
[さり、と墨を擦る手を止めた。半紙の上に綴られたのは詩が一つだけで、卓上には食事に向かう前とは別の複写元を開いている]
開いている。
……ああ、でも暫し待て。
[ケイイチ>>252に入室の許可を出したものの、振り返って見れば扉の前で紙の山が崩れていた。自室は四方の内半分を天井までの本棚に占められ、足下は堆く築き上げられた半紙の山。可搬式の棚にも載りきらないものについては、残る窓際や寝台にまで陣地を広げている。恐らくはケイイチが散らかした蔵書室>>67>>68より酷い有様だ。
良い加減に整理しなければと思った――思えばまともに整理をした記憶が“残っていない”]
すまない、崩れた。
[扉の前に崩れた半紙を片手で抱え上げながら扉を開く。腕の内には、積み上げた状態でそれと見て取れる程に鉄錆色へと変色したものも含まれている。…何時だったか認めた日記の一部だろう]
(275) 2014/12/24(Wed) 00時半頃