― 夜 紅杜家・書斎 ―
[諸々返事をしていたが、だんだん声音が眠そうに高くなってきているのがわかって、『きいている』を示す相槌を返すうちに幼馴染は眠ってしまった。]
……
ひいじいちゃんが知ったら喜ぶかもな〜。
[夢わするることなく謳歌し求め続けよ。
それがやりたかったから悔しいなんて。
眠ってしまった幼馴染は、広い紅杜家の一室で休ませられることになる。途中で眠ってしまったことを追儺家にお知らせするなんて相良はあまりやりたがらなかったからだ。
建前としては相良や紅杜家の面々の不安を慰めるにあたり、長居することになり此方で客室を用意して……みたいな事になる。
紅杜家で起きる事になれば沙羅は驚くかもしれないが、眠って起きた後の沙羅ならば、屈辱や羞恥はぶち殺してでもどうにかするだろう。
*今は色んなことに、きっと、驚いているだけ。*]
(265) 2022/09/08(Thu) 01時半頃