人狼議事

162 絶望と後悔と懺悔と


【人】 隠れん坊 アヤワスカ

[実際──。
屋敷のあった場所は、その当時既に吸血鬼の支配下にあり
屋敷の外で、人はみな吸血鬼に怯えながら
家畜同然の暮らしに甘んじていた。

そんな区域にあって、広い庭園を抱えるお屋敷だけは、
まるでそこが異空間であるかのように、
主と、その妻と、使用人達だけを竹垣の内側に抱え、
外の惨状から彼らを遠く隔てて在った。

童女が産まれた時、お屋敷に他の児童は住んでおらず、
かつて住んでいた胡桃色の髪の少年の話は、
時折父の口から断片的に語られるのを聞くのみ。

童女にとって『兄』とは、
現実味の伴わないお話の中の存在であると同時に、
淡く──それでいて尽きることのない、
幼い憧憬の対象でもあった。*]

(258) 2014/02/09(Sun) 01時半頃

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