それは光栄です。
初めてのハロウィンがこの街でよかったと、きっと思っていただけますよ。
ええ、自慢です。多少住人は騒がしいですがね。
[ハロウィンの夜はまだこれから。
ニコラエが初めてだというのなら、心から楽しんでほしいとそう思う。
赤い眼と視線が合えば、右目はゆったりと細められた。
そのタイミングで、次は何を出すか尋ねようとして]
……、カクテル?
[グラスを引くその手が、刹那止まった。
即席のバーテンダーはワインかビールを注ぐくらいしかできない。
しかし、ニコラエの笑みは昨日よりも柔らかく見え>>242
なんとかそのリクエストを聞き届けたいと、男の脳はフルスロットルで回転を始めた。
その間、右目は鋭く細めたまま彼をじっと眺めていたのだけれど、思い浮かべるのに精一杯で気がつかぬまま。
酒は嗜むようになって長い。その中でカウンター越しに簡単そうに作っていたカクテルをいくつか思い浮かべ]
(253) 2014/10/22(Wed) 00時半頃