―ヴィーの自室―
[実はちょくちょくこの部屋に入っていたりする。
幼い頃から両親と離れて暮らし、使用人も少なかったこの家では、年の離れた兄達がオスカーの面倒をみてくれていた。
中でもどこか独特な雰囲気(余裕…というのだろうか)を持つ長兄に、オスカーはべったりだった記憶がある。
まぁ、記憶なんてものは曖昧だし、しかも幼少期のそれは後々の自分に都合のいいように改ざんされていることもままあるけれども…。
それでもこの部屋に来ると安心するのだ。]
えーっと。靴と…服…。
[クロゼットからラフな服と靴を選ぶと、もう一度主の戻った部屋を見渡した。
心なしか、家具たちも喜んでいるように見え、その家具たちと喜びを分かち合うようににへらーと笑った。]
あ、早く行かなきゃ!
[ヴィーとベネットの待つサンルームへと急いで向かった。
服と靴を隠しながら、また回りを警戒しながら歩くのも忘れずに…。]
(244) 2011/08/21(Sun) 10時頃