人狼議事

162 絶望と後悔と懺悔と


【人】 落胤 明之進

―回想・円について―

[何かある毎、少年が取り出す縮緬の巾着に
 小さな女の子が興味を示したのは、
 染付の色柄がきれいだったから、なのだと思う。]

 だめだよ。大事、だから……

[下から伸びる手が届かないように腕を高く上げると、
 ちょっとだけ、ちょっとだけ、とねだる声が響いた。]

 ……ちょっと、だけだよ。

[締めた口紐は自分の指に絡めたまま、触らせてあげた。
 その絹地の上等さを少年が知っている訳もないが、
 こんなに手触りの優しいものは、他にめったにないと思う。
 もし取り上げられたら正直泣いてしまう。]

(226) 2014/02/08(Sat) 22時半頃

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