[闇の中、仄かな温もりに包まれて見る夢は何時の記憶か。
風が緩く吹いたか、それを受けて髪の流れる様がとても心地良く感じる。
朧に溶けて流れる優しいだけの印象だけをただ与えられて、それに酔っていた。]
──…ジリヤお兄様。
[それを終わらせたのは針の先で夢を割られる映像。
微睡む蜂蜜色の眼を瞼の隙から覗かせて左右に振れば、その針がジリヤのものである>>211>>212と知れて。]
誰がオカマなものですか。
違うと何時も申し上げてる筈なのだけれど……。
[特別女になりたいだとか思ったことはないし、己が男であることに対する違和感を持ったこともない。
ただ喋り方が────何?
定型文の様にすらすらと口を突いて出た言葉、それに繋がる思考が途中で鋏で切り取られたようにスッパリと無くなっているのに気付いて眼を見張るがそれはジリヤを捉えたものではなく。]
……鈴、鳴ったのかしら。
嫌で無ければ御一緒させていただきますわ。
[刹那のうちにそれを隠せば食事時と知らされて、断る理由も無いので身体を起こした。*]
(218) 2014/12/25(Thu) 23時半頃