[少し、ぼんやりとしていた。
反射的にノックの音に返事をすれば、扉を開く音にあわてて乱れた髪を撫で付けた。鏡は見ていないけれど、疲労の色はまだ濃く残っているだろう。身を起こして揺れる花の色が目映れば、自然眼差しは和らいだ]
少しは落ち着いたと思います。
……怪我って、痛いんですね。
[>>209 続く言葉に あお は見開き、語られるその理由を怯えながら、聞いていた。そう、この人は植物がとても好きで、人よりも植物のほうが好きなくらいで]
…学園、辞めてしまうんですか。
私は、残ろうと決めたのに。
[滲んだ寂しさは少し、詰るような口調になった。
これが己の身から離れることのない 闇。
彼にとっては、きっと良いことだと分かっているのに。握ったシーツに皺が寄る。言葉の途切れたその人を見つめた。]
(211) sen-jyu 2010/03/12(Fri) 20時半頃