[>>167雄猫のように身軽に、まだ幼いからだを店内に滑り込ませて。リンゴの蜜でぺたぺたの手をズボンで拭う。
それから、月の話をごく自然に受け入れた彼に、ぱっちり瞬きしてちょっと笑った]
ウン。
[木の椅子を引いて、彼の隣に陣取る。
外の木箱よりもずっと座り心地のいい椅子は、陽当たりもよくて気持ちいい。
あったかいから目を細めてたら、彼が店員にメニューを頼んだのは見えたけど。
まさかまさか、奢るつもりとは思いもしない]
本当?おかしいなぁ。
[こんなに綺麗な目をしてるのに。彼の周りの人ってみんな節穴なの?
ぱっちり瞬きして小首を傾いで。
それから、彼が集めた白い紙達を指差す]
読んで読んでっ。
僕、あんまり難しい文字は読めないの。
[まるで蜂蜜を塗ったみたいな、甘えた声でねだった]
(174) kaisanbutu 2014/11/28(Fri) 00時半頃