人狼議事

167 あの、春の日


【人】 露店巡り シーシャ

-美術室-

闇に隠れて生きる 俺たちゃ妖怪人間なのさ〜♪
人に姿を見せられぬ 獣のようなこの身体っ♪

[春休みの学校は嫌いじゃない。普段は喧噪と熱気で眩暈がしそうな廊下もがらんどうで、春の爽やかな風が吹き抜けていく。人の目を避けるように自ずと丸められた背も、幾分真っ直ぐになっただろうか。]

早く人間になりたい〜っ!

[呪詛めいた歌を小さく叫んで顔料塗れの扉を開ける。
すると、ソルベント特有の油っこい匂いが鼻を突く。ガソリンスタンドと同じような臭いのするこの部屋は、人によってはすぐに気分が悪くなってしまうだろうけれども。自分はこの匂いと、この部屋が大好きだった。
サモトラケのニケ、ヴィーナス、アウグストゥス…白磁の彫像が沈黙の歓迎をする。
室内には所狭しとイーゼルが置かれていて、その上には大小様々なキャンバスが置かれている。
それでも大分少なくなった事は、己の目には明らかだった。卒業生が持っていたのだろう。]

ん〜。一人かぁ……。

[見慣れた顔があるかと思ったが、肩透かしを食らう。
黒い鞄を、彫刻刀の傷が痛ましいテーブルに投げ置く。
欠伸と共に、大きく伸びをする。天井画が目に入る。]

(172) 2014/03/04(Tue) 03時頃

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