――プール――
[ 乱れた調子で聞こえた声>>146に、小さく首を傾げつつ。おれのなまえ。どうしてしってるのか、つまりは、なんてことも。水気の滲む室内に掻き消える。
――ひたりと壁へと寄せる体ははり付けたまま。
“ほんもの”の血のにおいを探るよう、硬い面体ごと顔を近づければ、地上の獣のように嗅ぎこする。]
た…?、――
[ 間。 たべると怪我をする。するのも、させるのも。気をつけなくてはならない。わずかに“マトモ”な頭が、ふらりとその体を後退らせる。我慢、我慢しないと。
――文字のさめはえさを食べても、罰せられたりしないのに。
シャワーヘッドから、はたりと水滴の落ちる音は届いたか。おれの“領分”だ、と、深い宙なんて1度も知らない動物めいた瞳が、面体の下焦点を暈す。
空腹のひとが、湯気のたつご飯をのぞきこむように。*]
おなか、へってて、
(165) 2015/07/11(Sat) 13時半頃