― トマトミルクのロールキャベツ ―
[芳しい香りのうさぎ穴。
次々と誘われる探検家―――ではなく健啖家達。
無論、己が誘われたのも喜ばしいが、うさぎの扉が開閉するたびに胸に満ちていくものがあった。隣に事務所を構えたのが、もう遠い昔のことのように感じる。]
トマト煮よりもクリーミーなんでしょうか。
……本当ですね、優しい色をしています。
[軽く鼻を鳴らして美味しい香りを嗅覚に納めるが、視線は彼女の前髪を見ていた。色イロ混ざった羽根一枚。>>136
自然と綻ぶ目元口元。]
そういえば。
そろそろ僕も料理を見ただけでどなたが作ったか分かるようになってきましたよ。何処か家庭的なのが戸崎さん、お洒落なのが乙坂さん。
[指摘と一緒に視線を鍋に、振り向いて彩り豊かな一画に向け。>>130]
(160) momoten 2019/12/02(Mon) 23時頃