『始まり混沌は、再び世界を生み出し、闇は、闇よりいでし者《ナイトウォーカー》…つまり私達を生み出す。
始祖と呼ばれる私達は、そういう世界を繰り返してきた。』
[昔語りをする中、少年は不思議そうに頭を抱える。
あぁ、難しかったか。と小さく笑うと]
『本当に目指したい未来というのは、今の世界を大切に思う者にしか目指せないと言う事だ。
全ての世界に神がいるが、神が世界を生んだと言うのは間違っていない。
間違ってはいないが、神は必ずその一つ前の世界で人間だった。
新たな世界を作った人間は、過去の世界の記憶を失い、新たな世界のルールを決める。
私の手帳の最後のページ。
これは、私が死ぬまで誰にも見せる事はないが、これには"人間が神となる"秘術が書いてある。
ただ、神になるのではない。
その術を使えば、従来のように
古き世界を破壊し、新たな世界を創るだけでなく、
古き世界の神となり、新たなルールと願いを作ることができる秘術だ。
とはいえ、それがどんな願いも叶うわけではないがな…。』
[そう言って、少年の頭を撫でると、もう一度微笑み]
(160) 2010/09/21(Tue) 10時半頃