[ふっと彼女の表情が和らいで>>156、手にぬくもりが伝えられる。
狼狽、しているようだ。
そうか、泣き叫ぶものも、喚き散らす者もなく、どことなく静かなこの修道院。
おかしい、と思っていたが。
やはり皆胸には同じような驚きと恐怖と葛藤を抱えているのだろう。
それを少し垣間見た気がして、「普通の反応」に、安心する。]
証拠を?
[やめた方がいい、と言おうとして、足を踏まれる。
彼女がよろめくようなら、そっと腹の辺りに腕を寄せて支えた。]
……はは、わかっているよ。
食堂にハナとかいう子供がいるはずだ。
よければついてやってくれ。
[わざとではないという言葉につい笑ってしまって。
どこに行くのだ、危ないから一人で動き回るな。そういうことを伝えたくて、ハナのことを言ってみたが、行き先を確かめることまではしなかった。*]
(159) 2016/11/15(Tue) 20時半頃