――…、
[治る治らないの押問答>>143はこれ以上続けても、意味がないに違いない。
大仰に、わざとらしく深い溜息を落として言葉を切った。
ぼんやり眺めている内に手首の処置はあっという間に終わっていて、こんな事が簡単にできるなら、僕を眠らせる事くらいだって、出来るんじゃないかなって馬鹿みたいなことを考えた。
すぐに自分で、馬鹿じゃないのって思い直したけど。]
困るの意味がわかんない。
なんでアンタが困るんだよ。
[憮然とした表情は相変わらず、眠たげな瞼が重いのも相変わらず、
手首から手の甲へ移った包帯を巻く動きに視線を落とし続けた。
固定の為に白い布が締められる毎に痛みからの反射で指先が微かに動く。
痛いなんて喚いても良いんだろうけど、そんな事したって治療の時間が無駄に長引くだけだし。何より随分と痛みにも我慢にも慣れてしまったから。]
(158) 2014/06/29(Sun) 03時頃