【人】 店番 ソフィア

[現実逃避。
目の前の"辛い"現実の衝撃から逃れるために、脳内の想像の中に集中し、周囲の状況を認識しない行為。
まさにそれ、であった。
生徒会室の前に人影が居たのは見えた。
そして、ばーん、と勢い良く開いたところも。
"あの"生徒会室において、そんな自由奔放な動きが出来るのは…バスケ部部長には一人しか思い浮かばなかった]

ぇ…何やってるの、あれ…

[肩にかけたタオルで口元を隠し、呆然と見やる。ようやく認識したことは、先ほどまで生徒会長は部屋に居なかった、つまり、すごい間が悪かったということ]

どうしよう…

[恐る恐る生徒会室に近づく。聞こえてくる複数人の声に、既に何人か集まっていることを知り、更に表情が暗くなる。
しかし、逃げても闇、進んでも闇。しかも、その闇は恐怖しか生まない。行くしかなかった]

し、失礼、しまーす…バスケ部の、部長、です…
すみません…遅れました…

[ドアから顔を覗かせ消え入りそうな声をだし、会長ではなく生徒会役員を呼ぶ。涙目で覗いているバスケ部に気付けば、生徒会役員は憐憫の目を向けながら引きずるように生徒会室に入れた]

(146) 2011/09/08(Thu) 22時半頃