[まるで物を扱うような手荒さで髪を掴まれると、その拍子に解けかかっていた鶯色が床に落ちこげ茶が散る。
それを気にせず、余裕なんて一握りあるか無いかの状況で。
質量を増していくばかりの雄を指で掌で紅い舌で、刺激を与えていく。
もうすぐ、もう少し………の所で熱源が遠ざかっていく。
どうする気なのかと主を見上げれば、三日月のような弧が描かれていて。
瞬間。>>133
飛び散ったのは白濁色にむせ返りそうな程の匂い。
それは己の顔を汚し、輪郭をなぞりゆっくりと滴り落ちていく。
瞳の奥が、『朧』の面の奥が面白いくらいに揺れるのを、一夜限りの花主は見る事ができただろう。]
―――っ…!
[指が、震える。
それを奥深くに沈めるために、白を指で掬い上げ一口舐める。
こうすると喜ぶ客は大勢いたが、今宵の蝶はどうだっただろうか。]
(144) 2014/09/15(Mon) 22時半頃