……それでも、その緊張を此方に悟らせないのは、やはり、貴女がこの国の王女だから、なのでしょうね。
僕は、ただの平民でしかありませんから。
……本当なら、貴女の横に要られるというだけで、身に余る様な光栄、なのでしょう。
[向けられる微笑み>>139に、いくらか緊張は解けたか。
その笑顔は大人びた様に見えて、けれどどこか、幼さも感じられるような気がした。
王女たちは確か20歳、自分ともそう年齢は変わらない筈。
緊張ばかりしている自分と比べ、二人とも、どうしてこんなに落ち着いているのか、と。
つられて窓の方へと視線をやれば、雨に打たれる窓硝子。
硝子越しの景色は、濁った様な灰色で。
先程まで見えていた青空を思い返していれば、唐突に出される上着の色の事。]
……すみません。……派手、ですよね、これ……
[照れたような声は、消え入る様に。*]
(144) 2012/01/11(Wed) 01時半頃