―ルーカスの家―
おは、おははよう、旦那様…
[朝の挨拶>>125。意地の悪い顔から当然のように続く嫌味ったらしい台詞に浮かべた笑顔が引きつった。
でも、大丈夫よ。想定の範囲内だもの。もうムキになったりしないわ。
しばし自分の手元に視線を向けて、菫色の袋から同色の菓子折りを取り出して相手に差し出した。
半ば睨むような上目使いで。]
………昨日は、ごめんなさい。
あのサボテン私がやったの。とても子供っぽいと思って…恥ずかしくて言えなかったんだけれど。
わ、割引券も、押し付けてしまって…
[顰めていた眉が、だんだん、言葉が進むごとに下がってゆく。
声も自信がなさそうに小さくなった。
自己嫌悪と悪戯な笑みに挟まれて、手が震える。受け取って貰えるだろうか。]
あ、あと…そのチラシの中に、私忘れ物をしたみたいで…
(138) 2014/10/03(Fri) 20時頃