―現在/ツェツィーリヤの力の解放―
[右手で捕えるは、ツェツィーリヤの魂>>99か。
それは感覚的なものであり、描ける類ではなかったかもしれないが。
強いてあげるなら、生命が集約された光体を、その手の中に捕えているイメージ。
それを握りつぶした時が、彼女の肉体から魂が、完全に切り離される時となることだろう。
使わせてもらうぞ。
背後にいるイアンを振り返り、視線は強張ったように感じる巨大な体>>102へと向けられている。
しかし、無言で語りかけた相手は、手の内に捕えただろう、ツェツィーリヤの魂。
これから、魂を奪い去る。
狼の習性と違わず、群れを維持するために、個を切り捨てて。
これまでと同じだ。疑わし、疑わしくないとは別にして、たとえ相手が誰>>2:181であろうと、群れを守るために排除する>>1:111と、決意していた思考と同じ。
恩義>>10や、親類への情>>50。誰かに対する潰えぬ記憶>>82などと比べれば。
それはひどく人間味のない、下等で獣臭い思考と思われるかもしれないが]
(106) 2013/06/18(Tue) 19時半頃