―回想/暖かい廃屋で―
[これは、ヴェラがまどろみに落ちる時>>88のこと。
体を拭き終えた布を>>87鼻先へと当て、すんすんすんと、一途に臭い嗅いでいた。
髪に加えて手足も胴も拭いたため、自分の臭いがほとんどではあったけど。
不潔に思われるかもしれないが、馴染んだこの香気が落ち着く。
そんなヴェラを見守りながら、脱ぎ捨てたローブを絞ってくれるなど>>95、いったいどこの良くできた女房を貰ったのかと思われそうだが。
そんなイアンの優しさには、だいぶ前から自然と甘えきっている]
……ふごむ。
[「休みな」の言葉に、素直に「うむ」と返した。
体制を『伏せ』に変え、変わらず、すんすんと嗅いでいるうちに、寝ぼけて狼に変身する。
ただの狼だから、供物の力はほとんど消耗しない>>0:57し。
だから、伏せた姿勢のまま。ひと時の安らぎ。
すんすん、くぅー、っと。
そして…………]
(106) 2013/06/14(Fri) 19時半頃