―― 第一棟 廊下 ――
[ ―――やはり随分、笑みの絶えない輩だと、男は思った。
ニコニコとした様はまるで人当たり良く、陽だまりのような――否、本人は朝陽は好きではない>>94とは、言っているが。
ぽつりと落とされた、「朝」の言葉には何の感情も、男から覗くことは出来ずに。 一歩踏み出されたのに合わせて靴音を鳴らそうと髪を揺らしたその時に 。]
朝陽が好きではないなんて、珍――
おや、…――――おはようございます。
[ 見えた「獣」の姿>>92に、またも口端を上げた 。 よもや此れが「にやり」と形容されているとは知らずに。 あくまでも「にこり」。
扉が開く寸分の間、見えたのは口で扉を開けていた様。…嗚呼、改築でもお願いした方が良いだろうか。男は「猫」の彼女を見つめ、スゥと目を細めた 。総監を探してみようか、…いや、必要無いだろうか 。]
(101) 2015/07/09(Thu) 21時頃