[手を掴まれてぱちりと目を大きく瞬かせた。>>92
状況が読み取れずに茫然として掴まれた手と彼の顔を交互に見て、続いた言葉にようやく合点がいった。]
…うん、分かった。次は気を付けるね。
触る時には前もって断ればいいんだね。
[気を遣わせてしまったな、とか。嫌われてなくて良かった、とか。
触られるのが怖いのは何故なんだろうな、とか。
思うことは色々とあったが彼から触れて来たことが何よりも嬉しくて、安堵から溜め息を吐いた。]
そうだね。髪が長くないと着けられないし。
綺麗でも着けて貰えなかったら簪も可哀想だもんね。
[言っていて何かがおかしいような気もしたが、他に言い直しようもなくて首を傾げるだけに留まった。でも何で持っていても仕方のない簪を持っているのかと疑問を目に滲ませる。]
可愛い花びら。先っぽを繋げたら五角形になってるね。
こっちの方じゃ見ないから、東の方に咲いているのかなあ。
桜、サクラ…ああ、根っこに何かが埋まっているって言う?
[指差された花びらを一枚一枚視線でなぞり、呟く内にそんな逸話を思い出した。詳しく聞いてはいないので詳細は覚えてないが、きっと宝物とか良い物なんだろうなと思っていた。]
(95) 2014/05/11(Sun) 20時頃