[その時ホレーショーが扱っていた魔法も、剣の類であっただろうか。
『白狼の毛皮』の使い勝手の良さに、その他ほとんどの供物を放棄していたヴェラではあったが、偶然たった1つ残っていたその他の供物が、まったく同種の物だった。
使ってみようと思ったのは、そんな偶然が面白く感じたから、それだけだっただろうか。
もともと直接的な戦闘に長けたスタイルであったため、不慣れな魔法でも身体能力により、そこそこの活躍はできたと自負はしている。
もっとも、力の解放加減を誤ったせいか。討伐を終えた頃には、持っていた供物は、あっさり破損してしまったが。
……酒を奢ってもらえたのには、そう言った事情も、ちょっとは絡んでいるのかもしれない。
あの時、私がこの魔法を使っていたら。全額譲りたくなるくらい>>67、とてつもない活躍をしていたぞ。
実際のところは分からないが。
そんなことを、荒い息とともに、人語を語れぬ口で呟き。
ヴェラは現場を目指していく]
(90) 2013/06/11(Tue) 01時頃