-回想・2階での戦闘-
[泥人形を薙ぎ払い、殴りつけ、踏み潰していると、若い男の声がした>>9
そちらにまなざしを向け―――眼を見開く]
―――「何」だお前…!!
[年若そうに見えるのに、泥人形に退治してもなお、へらりと答えるその胆力にも驚いたが、何よりも驚愕したのはその風貌。
金色の髪の毛に楊貴妃のように白い肌、冬の晴れた日の空のような澄んだ青い瞳。
顔立ちはラクシュミーのように自分たちに比べずいぶん彫りが深い。
はじめて見る、人間だった。]
白面か…っ!!
[気を取られた隙に殴りかかって来た泥人形に蹴りを入れ、その腹に大穴を空ける。
そう、神話に出る妖狐かと思ったのは、その光り輝くような金色の髪の毛。
南の方の蛮族や海軍の男たちにも髪の色の薄いものは居るが、そういった赤銅色のような色とはまた違って、透き通るような金。
泥人形が動くなら、狐が妖かしの術で人に化けることもありうるかと思った。]
(89) 2012/05/26(Sat) 01時半頃