…、なら、アンタが助けてくれるの。
俺を眠らせてくれるの?
そんな気もなかったくせに…、
――――…俺にどうしろって言うんだよ。
[死なせたくない。怪我をするな。そんな今迄の言葉達がぐるぐると頭の中でまわる。ただ待てというのか。
此処にくるまでだってずっと眠れなかったのに。こんな奇病に医者として関わりだしたのだってただの偶然じゃないか。
こんなのただの八つ当たりの恨み言だ。分かってる。結局助けて欲しいのにそれが叶わないからいじけてるだけに過ぎない。自分の都合を押し付けてるだけなことには、もうとっくに気付いてる。
こんな情けない事、言いたくもなかったのに。
最後の問いは絞り出したみたいに掠れて完全に聞き取る事も出来ないかもしれない。瞳に膜を張るように溜まってた涙が目端から伝ったから顎をあげさせる手からは無理やりに逃れて俯いた。]
(87) 2014/06/28(Sat) 03時半頃