"ああ、ロミオ様!あなたはどうしてロミオ様でいらっしゃるの?"
[台詞を言い切れば、表情を一変させる。にこりと微笑み、小さくお辞儀を。
そうして、どう?とでも言う様に首を傾げた。暗に褒めろ、とそう言っているのだけれど、目の前の少年に、それが伝わるかどうか]
……こんな風に、アタシは舞台に立っているから、それで見た事があるんじゃないかしら。
時々チラシなんかにも、写真を使ってもらっているみたいだし。
それにアタシ、結構有名人なのよ。
[ジャニスにとって、舞台で演じる事と、往来で演じる事にそう差異は無い。自分が役を演じるその場こそが、舞台だと思っているからだ。
けれど目の前の少年が、同じ認識をしていないだろう事は分かっていた。だからほんの少しだけ、窺う様な視線を向けただろうか。
――勿論、自信満々なその表情に、変わりはなかったが]
それで、ナンパ男クン?
アタシはジャニス。アンタの名前は何ていうの?
[揶揄いのままに問いかけて、ジャニスは目を細めた]
(87) 2014/10/01(Wed) 12時半頃