[いないなんて、と言う言葉には、ただ、静かに、けれど寂しく微笑んで、抱きしめた。気持ちが伝わるように、と思うくらい、強く。だから、震えたのも伝わっていて。
そうしてホリーの述懐を静かに、小さく小さく、時に震えるように、頷きながら聞いた。
ごめん、と言うホリーには、ただ、小さく、やはり寂しげに微笑んで。縋るように掴まれる腕に、強く、胸に抱きしめた。辛かったですね、と。頭をそっとなでてから、軽く、顔を持ち上げる。]
メアリーさんは。
[それからぽつりと呟く。]
メアリーさんは、私を守ってくれました。だから私はここにいて、きっとホリーさんも。ここに。
ねぇ。生きる意味が分からないなら。生きてて意味があるかと思うなら。生きてていいのかな、と思うなら。
私は、ホリーさんに、消えないで、ここにいて欲しいな、と思います。それは、理由にはなりませんか。
一緒に生きては、行けませんか。私も、メアリーさんに命をもらいましたから。ほりりんと同じで。だから。
……私は、ホリーさんを愛していますから。
[そっと、その目をじっと見て、言った。]
(86) perigord 2010/08/14(Sat) 15時半頃