[次々と軽いメニュー提案する先生>>70>>71に、硬くなっていた姿勢が少し和らいだ。]
私はコーヒーを–––––……やっぱり、いいです。
[この場所でコーヒーを注文した男の顔がチラつく。
話題に上がるであろう人物の話をするのには不釣り合いのような気がして、メニューに視線を落としたまま黙り込んでしまう。
もしかしたら、ルーカスさんと連絡がつかなくなったのは自分と別れてからではないだろうか、という不安。
仕事に疲れている訳でもないのに、相手の言葉は耳から耳へ通り過ぎて行った。
飲み物を頼んだ事にさえ気が付かない。
話題に上がった男の話になれば、ようやく顔を上げて。]
友人である先生にも音信不通ですか。
私も今朝配達に伺ったんですけど、コーヒーの香りが……いや、インターホンを押しても出てこなくて……
[扉の所に掛かっていた、サボテンと折り紙と、不釣り合いな懐中時計が詰め込まれた袋を机の上に置く。
指先でさだけで相手に差し出した。]
(85) 2014/10/09(Thu) 23時頃