冬将軍を見つけても、冬が終わらなかったら…。
そうね。もし複数人いるならその可能性もあるかもしれないわ。
私が疑われる?…そうね、ありうるかもしれないわ。
[その時を想像して、背筋がぞっと冷たくなる。]
…でも、だからと言って、そこに怯えて立ち止まるわけにはいかないもの。
私が弱虫に負けて動けなかったせいで、大切な人が犠牲になる方が、ずっといやだわ。
[それはせいいっぱいの虚勢と、まぎれもない本心。]
申し訳ないけれど、薬を取りに行くのはお願いするわ。私はまた図書館に行こうと思うの。
[そこでチラリと、ヒューを見る。]
…コート、よく覚えていないけれど、あなたがかけてくれたのよね。これからはあなたの方が必要になると思うから、お返しするわ。
[ありがとう、と唇だけで形作り。自身を守ってくれた衣を、返す。
さすがマドカが惚れた男ねと思ったけれど、次の瞬間苦虫をかみつぶす。
…私はまだ、あなたを認めたわけじゃないんだから。]
(79) 2013/12/19(Thu) 00時半頃