[ヨーランダが自分の身を案じてくれていることが、不謹慎だが嬉しい>>69。しかし彼女の提案には首を振って]
ありがとう。
俺は男だから。大丈夫だ。
それに、一刻も早く村長のとこに知らせなきゃならんだろ。
[引きとめてくれるヨーランダに、ランプを貸して貰い、村長宅へと急ぐことにした。殺人犯にせよ、野生動物にせよ、何か対策を練るためにも早く知らせるべきだと思ったから。
男はまっすぐ村長の元へ行くと、文字通り叩き起こして事の顛末を話した。寝惚け眼だった村長の表情はみるみる固く、青ざめて行くだろう]
(ひと先ず…これで、何かしら手を打てればいいんだが)
[先程から頭に浮かぶのはヨーランダの事ばかりだ。彼女をいかに守れるか、男の頭の中はそのことで支配されていた。
――が、しかし。自宅への帰り道、池の畔を横切った時のこと。水面を眺めていた男は、急に激しい眩暈を感じて。
抗うことも出来ず、誘われるように暗い暗い水底へと身体を沈めていくのだった]
(70) 2013/08/02(Fri) 05時頃