ニコラスさんは…ああ。先ほど、地下を見に行くと言っておられましたね。
[彼が館の地下で蛇を飼っているという事は知っています。私は蛇はあまり好きではありません。ただ、昔岩国で見て以来、アルビノ種の白蛇だけは可愛らしく感じてもいたものでした。その白蛇が逃げ出したという事までは存じていませんでしたが。]
……あら。別のお客様かしら。
[カーテン越しの窓の外から、見慣れぬ人影が>>59歩いてくるのが見えました。使用人に案内されているのでしょうか、灰皿と葉巻の用意された客間に通されたと見えます。
折を見て、私もまた挨拶のためその部屋を訪れました。]
ようこそ。冠城先生が招待いたした方ですね。
初めまして、先生の秘書の白星真弓と申します。
先生はまだ自室でいらっしゃいます。パーティの頃には降りていらっしゃるでしょうから、しばらくはお寛ぎください。
あの、失礼ですが…お名前をお伺いしても?
[どうやらスーツを着こなす職業人というわけではなく、見る限りではフリーの職業人か…あるいは雑誌記者のように私には思われました。そのような方が先生の正体を受けている理由については、私には生憎思い至る節はなかったのですが。]
(67) 2017/12/12(Tue) 22時頃