人狼議事

276 ─五月、薔薇の木の下で。


【人】 花売り メアリー

―これも過去のこと―

[「似合ってない」。
 マークは去年の秋に、その事実を自ら受け入れた。

 今よりもまだずっと背が低く、声も女の子と大差なかった頃、マークは好き好んで女の子の恰好をしていた。別に立ち振る舞いや言葉遣いまで女の子らしくしている心算はなかったが、とにかく、女性の服が好きだった。
 今の学校に進んでからも、たとえ咎める者がいようがいまいが、私服として女物を堂々と着続けていた。
 去年の秋が終わるまでは。

 少年が「こども」から「おとな」へと変わりゆく中で、マークという少年の身体はあまりにも変わってしまった。背はぐんと伸び、ついには声まで低く変わってしまった。

 このようなことがあって、マークは去年の冬から、男性の服だけを着るようになった。
 それでも髪の毛だけは長く伸ばした。今日のように、まるで女の子がするような二つ結いにする日もある。]

(64) 2018/05/15(Tue) 16時半頃

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