[>>38首を傾げた沙綾に不躾かとも思いながらも、少し躊躇う様に己の中で逡巡させてから。彼女の何処か悔やむの表情もその思考を後押しでいた。言葉を押し出す様に、紡ぐ]
……あ、すみません…、
過去形だったから…、失礼ですけど、もう亡くなっているのかな、って…。
……僕も、貰うばかりでした。
交換したのは、昔に父に買って貰った品なので…。
[>>39そう言えば、先程何やら女性が言ってた様な、そうで無かった様な。>>43と、此方が話す前に沙綾が一足早かった様だ。]
[…しかし、食べ物と言えば。自分はほぼ身一つ――、食糧を十分に買い溜める金銭も無く、最低限の荷物だけで此処まで来た事を思い出した。……正直、もう存在さえこの国においては『死んだ人間』であるのだ。]
[別に、野垂れ死ぬのなら、それでも良かった。片割れの腕輪を売れば多少の旅路の足しにはなったのだろうが、其処までする程――生に終着はなかった]
(54) 2014/03/03(Mon) 03時半頃