[ラジオの音に混じり、紙を捲る小さな音。耳障りであり、それでいて何処か耳触りの良いラジオに混じるノイズの音を聞きながら、紙面に敷き詰められた文字を目で追っていく。
そうして、テーブルに置いた珈琲を手にした時だろうか。窓の外から、低く唸るバイクの音が聞こえて来たのは>>46。
そうして、カタン。郵便受けの鳴る小さな音が、部屋の中へと響いたのなら。男は文字を追っていた視線を上げて、窓の方を見やっただろう。]
(……成る程。今日は休みだからか。)
["何時も"ならば、その小さな音に顔を上げる事は無いだろう。
男はこの時間は必ず、ソファの上に居て、新聞を読む時間としているのだから。
だから例え、郵便受けの音が鳴った後もずっと外でバイクの音が止まって居ようとも、気にかける事は無かっただろうに。
"決まっている"予定のない、真っ白な一日だからこそ。男は珈琲と新聞をテーブルへと置き、この時間にしては"珍しく"玄関へと向かった。]
(52) 2014/10/01(Wed) 05時頃