ちょっと寝ぼけててな……。
[眉根を寄せるヒナコ>>37へは、あくまで軽い調子で返す。
彼女に最初に話しかけて貰った時>>35のこと。飾り気のない褒め言葉が、素直に嬉しかったことを覚えている。
『絵を描くのが、好きなんだ』
絵を描くのは好き。
それで誰かが喜んでくれるのは、もっと好き。
だから祖父母への手紙の件で自分が落ち込んでいる時、レター用紙を差し出されたのには驚いたけれど、とても救われた心地がしたのだった。
――沢山の物を描こう。現実も、決して届くことのない夢も。
彼女に送った絵は、風景画、人物画、中にはこの施設の皆で外の世界を旅行しているような、そんな現実離れしたイラストも含まれた。彼女が綴る文章は真っ直ぐで、温かみがあって、いつも返事が待ち遠しかった。
文通が"存在証明"になると思えば、なおのこと]
(49) 2015/06/05(Fri) 16時半頃