― 夕方?/右扉奥の廊下 ―
[求めていた姿は、しばらくして見つかった。4人きりしか居ないこの密室空間で、あたしの他にもう一人の女性。]
あ……あの、高梨さんっ。
[ 彼女は何か今目的があるようだったろうか?
彼女は誰か他の人といるようだったろうか?
何にしても、あたしにはかなり切実な用件があるのだ。]
ちょっと、二人でお話、できないかな。
プライベートな事、なんだけど……どこか、入れない?
[そういうあたしの手には、広間で目覚めた時には持っていなかった明るいブラウンのケリーバッグがある。服装は倒れていたときと同じコートのままだけど――]
どうしても今、話しときたいことなんだ。
お願い、来てくれる?
[――その下は、以前、彼女がしたのと同じ状態なんだ。
あたしが知った、もうひとりの美和ちゃんの姿。
真実そのものだなんて、思ってはいないけれど。]
(48) 2018/03/14(Wed) 23時頃