―広間―
[壊れたマグカップは、青年ティソが母星から持ち込んだものだった。大事に使っていたのに。]
この船のなかで不安に思うことなんてあるのか?
[安心するからと膝を抱えるジャックをつつく。>>0:210>>0:211]
おー、どこから声が出てるんだ? というか、柔らかいな。餅みたい……
[ふにぷにつくつん、こしょこしょ。調子に乗っていたら、ジャックは益々貝のように縮こまってしまった。やり過ぎたと反省し、頭を掻いた。]
あー、悪い。ふざけたつもりはなかったんだ。……立てるか?
[手を差し出すが、そこへ船内放送が流れた。新天地に着けば、測量士の仕事が待っている。ナユタが無事に着陸できる場所を探らなければならない。]
仕事が入った。今度、詫びになんかしてやるよ。
[じゃあなと手を振り、床に落ちた破片を見下ろす。船内の掃除ロボットを呼び止め、片付けを託した。]
(46) 2013/07/22(Mon) 13時半頃