[それはコーヒー事件が起きる前の話である。
この後に大事件が起こるなんて思いもよらず、ふんふんと口笛鼻歌歌いながら周囲のヤジを華麗に躱してゆく。
まさか朝練組と共に登校するなんて人生初めてかもしれない。
あぁ、空もなんて晴れやかなんだ、と見上げた途端降り注ぐ水>>36。顔にかかる水。濡れる制服。
どうやらどっかの誰かが水の入ったペットボトルをそのまま投げたようだ。]
えっ。いやいや、オイ!?何してんだって必死だなオイ。
無視か、無視か俺のことは。まーいーけどよ。
[走り去る後ろ姿におーいと声をかけるものの届かなかったようだ。
しっかり文句は垂れるもののこの程度、まだ彼の機嫌を損ねるには値しない様子。
だがちょっぴりむかついたので奴の顔は覚えておくことにした。
さて、気を取り直して前を見ればゴミ箱から外れて落ちているペットボトル。]
…おーい、ちゃんとしまえっての。
[持ち上げてくるっと遊んでから目標目掛けてぶんっと投げる。勢いよく柱にぶつかるペットボトル。柱に弾かれた奴は姿を消した。誰かのイテッという声とともに]
(46) 2016/06/17(Fri) 19時半頃