[古びた墓がこちらへ見えるようにか、バーナ バスが位置を少しずらした。近寄って、その墓 石をまじまじと眺める。 雨風にさらされ、風化したのか、そこに刻まれ ていたであろう文字はもはや読むことも出来ない。
静かに語るバーナバスの、目深に被った帽子の下辺りをじいと見つめる。]
そのひとは、人間族だったの?
……バーニーの、大切な人?
[口をついてでるのは、聞くまでもないようなそんな質問。ボロボロになっている墓を撫でるその手も、同じだけ、それ以上に歳を取っている。
自分よりも、相手の方が先にいなくなるとわかっていて、それでも一緒にいるというのは、どんな気持ちなのだろう。]
…バーニー。
寂しい?
[いなくなってからもずっと、こうしてそばにいるほど。
そんなひとを失うというのは、一体どれほど辛いだろうか。
考えるとら自分のことでないというのに、ぎゅうと胸の奥が痛くなった。]
(42) 2013/11/27(Wed) 15時半頃