[完全に身体と精神を乗っ取る好機。嗚呼、マガタマを探っておいて正解だった。目の前の毛むくじゃらほど理性なく狂わずとも、悪魔の1人として、惹きつけられる何かは確かにあった。]
『………断る』
[今の事態がわかっているのか、と“私”は眉を寄せる。不快を隠さない声音を紡ぐ。]
愚かも極まれば滑稽以外の何物でもないぞ?
『体が完全じゃないのが不都合なら
協力はする。でもやっぱり俺は俺でいたい。
アンタは俺の身体を守るしかない筈だ。
俺の身体は、アンタの身体でもあるんだから。』
………それは脅しのつもりか?
『あんなに怪しい石について嗅ぎ回っておいて、
簡単に殺されるのか?アンタの性格上無理だr…
…おい!いきなり跳ぶなよ!』
[毛むくじゃらの顎が床に大きな穴を開ける。ジッと眺めて追撃が来ないことを確認すれば、こちらは大事な話し中なのに、邪魔だと舌を打つ。]
(42) 2016/06/16(Thu) 11時頃