―邸宅1F/リビング―
[玄関口のハンガーに白いコートを掛けてから、グロリアの案内を受けリビングへと。
背負っていたギターケースを壁に立て掛けてから、その近くの席に腰を下ろした。
やがて用意された紅茶のカップに小さく口をつけ、その香りと温度を味わいながら、サイラス>>35が語る世間話に、相槌を打ったり短く言葉を交わしたりしたものだった。]
そういえば、まだ名乗っていなかったな。
俺は、サミュエル・ウィグナス。
呼びにくかったら、適当にサミーとでも呼んでくれれば。
[少しだけ口数が増えたのは、邸内の空気の温度に加え紅茶の温もりをも得られたから。
温まった喉から発せられる低い声は、よく通る響きの声だった。
この名乗りはサイラスだけでなく、場を同じくする者が他にも居るならば、その者にも聞こえるように向けたものだった。**]
(39) 2013/12/02(Mon) 01時半頃