[男部屋のどさりと適当な場所に荷物を置き、腰を下ろすと大荷物を漁る。
「人狼伝承」というラベルが貼られたノートを何冊か引っ張り出す。びっしり付箋が貼ってあるそのノートは彼が自分なりにまとめたものだ。
それをぱらぱらと捲り、ぽつりとごちた。]
…人狼か。
[一応学者を名乗る青年は、各地に伝わる伝承や怪異、魔物の類全般を調べているが、「人狼」の伝承は一際興味深かった。
同じようにそういった伝承に精通している村の者――例えば村長の養子である夕顔や、探偵業を営む雷司等――にはそれ絡みで度々話を伺うこともあったろうか。]
…林ばっかののどかな島に見えるけどな。
まあ、島の人から話くらいは聞けるといいんだけど。
[まだ夕飯までには少々時間がある。ぱんとノートを閉じショルダーバッグに放り込むと、メモやペン、財布をポケットにいれる。
それを持って男部屋を出れば再びロビーへと向かうだろう*]
(36) 2014/05/24(Sat) 22時頃