>>26[苦笑する仁右衛門を、女はただ黙って見つめ続けていた。渡された座布団はしばらく握りしめ、彼の一挙手一投足をその細い瞳で捉える。] センセ…[掠れた声が、書斎に消える。小さく頭を振り蜃のことでも好奇心だけがそうさせているのでもないのだと告げるように。] せやなぁ…センセが己を教えてくれる言うんやったら、 うちも少しはええもの見せてさし上げれる思いますんよ。[逢って二度、面と向かって話をするのは初めての、ややもすればどこの馬の骨ともしらぬ娘の戯れ言と一笑に付されても致し方もない。けれど彼が語る話によっては、彼になら自らを見せてもやろう…いや、見せて上げたいと、そう思うのは…](…よぅ似てる)[柔らかい瞳の光を見つめ、女の瞳にはいつしか深淵の如き妖色の光が宿っていた]
(32) 2011/09/15(Thu) 19時頃
sol・la
ななころび
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