ご心配痛み入ります。
身体が丈夫な事だけが取り柄なんですけど…それも、空腹には敵いませんね。
[何処か棘のあるような物言いに、もう少しこう、柔らかな物言いをしてくれても良いのに、なんて。何時もながらにつれないものだ、とその辛そうなガムを噛む青年に眉を上げる。
しかしどうしたものか。辛い物は嫌いなのだが、それでも此処から食堂までの道で気を紛らわせる為ならば――と。暫しの間思案した後に引っ込めた手を再度差し出した]
……と、言うわけで。
やっぱりそのガム、頂けますか。無いよりはマシです。
…君は今から往診ですか。
[ヒラヒラと催促するように差し出した手を振って見せながら。
彼がもし、このまま仕事に行くのであれば、邪魔するわけにもいかないだろう――まぁ、自分も仕事中なのだけれど。
昼食がまだなのであれば、ガムのお礼に飲み物くらいは御馳走しても良いかもしれない。
そんな言葉は胸の内に、返答とその辛そうなガムを待ちながら食堂のメニューに思いを馳せた]
(26) 2014/06/20(Fri) 20時半頃