人狼議事

215 【誰歓】エンドローグ


【人】 星先案内 ポーラ

[クラスで浮いた存在になるのに、時間はかからなかった。

もう、演技に使う曲を繰り返し聞く必要も、短い休み時間を自主練習に充てる必要もない。
ああ、でも、そのために使っていた時間を、何をして過ごせば良いんだろう。

同級生たちの話は、異語のよう。
思えば、家にはテレビがない。
漫画や小説は禁止されていたし、体重制限を徹底するために、食糧の買い置きも全くなかった。
中学時代の友人は皆同じ部員で、会話も競技のことばかり。
趣味が何もない。人と共有できるものがない。
競い、互いの上を行こうとする、そんな人間関係しか持たずにここまで生きた。

そんな状態では友達などできるはずもなくて、
気付けば、自分の席に前を向いて座っている内に1年が過ぎていた。
それでも、教室の片隅で、からかいや揶揄にも負けないように、いつだって背筋は凛と張っていた。
今度は、『人を馬鹿にしている』と非難された。
それはあながち間違いじゃなかったのかもしれない。
ばかにするなよ。と憤慨して、より一層姿勢を正した。
だから、ずっとひとり。]

(16) 2015/02/06(Fri) 02時頃

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