[嘆けば良いのか、喜べば良いのか。回らない頭で考えていれば、押し付けられる頭に目を見開く。
そうして伝わるその心音に、泣きそうに目を細めた。言葉よりも何よりも、余程確かな答えだった。ジャニスが想いに震える様に、彼もまた。その胸を高鳴らせてくれている。その事実が、途方も無く嬉しい]
…………、嬉しい。離さないで、ね?
[低く告げられた、いつもより幾らか荒い言葉に、数瞬息を詰める。答える言葉は、きっと。喉に突っかかって、酷く情けない声音になってしまっただろう。
落とされる唇を擽ったそうに受け入れて、注がれる名前には体を震わせる。名を呼ばれるだけが、こんなにも心地良いだなんて!
――先よりも尚、抱きつく様にして彼の体に腕を回す。そうして悩む様に言葉を紡ぐ相手を、不思議そうに見つめながら。弄られる手からは力を抜いて]
(14) 製菓 2014/10/11(Sat) 10時半頃