――食堂前――
[聞こえた調子外れの旋律>>7に、ふと顔を上げる。
駆け出す少女の先に、数日ぶりに見る顔を認めて。相変わらずの仏頂面と、響く鼻歌と、そのギャップに思わず表情を緩めた。]
…噂をすれば、でしょうか。
ご無沙汰してます、コープラさん。
本日付で当院に転勤になりました、ローランドです。
[少女を迎え入れる様子と裏腹に、怪訝そうな顔を向けられて薄く苦笑する。なんて、同じ対応をされていたとしたら、おそらくもっと混乱したのだろうけど。
治療がどの程度進んだのかは把握しきれていないから、彼が認識したのは、"白衣"か、"自分"か、どちらだろうか、と。
ひとまずと丁寧に名乗っておきながら、数歩歩み寄る。
理解りますか、なんて、首を傾げてみせて。
歩きながら薄く両手を挙げたのは、彼に対する癖にも似たものだけれど。]
(11) g_r_shinosaki 2014/07/07(Mon) 01時頃