[そんな事を思っていたのなら、次いだ"舞台が好き"という言葉には小さく、目を見張りはしただろう。
――そうして、胸へと導かれた手と共にその後に続いた言葉には。胸へと触れたまま、彼の頭を抱き寄せようとしただろうか。]
――……何とも、嬉しいもんだ。
あぁ、本当に……、ヨハン。
[何時もなら、もう少し気の利いた事も言えそうなものだけれども。
そんな余裕も剥がされていることを少々悔しくも思うけれど、相手が彼なのであれば――それも、悪くは無い。]
…殊勝なものだ、が…
悪いが、一番でない奴を傍に置く趣味は無いんだ。
[小さく聞こえた言葉>>4:+28には、態とらしく首を振りながら、そう言って見せて。
布と肌の向こう、トクリトクリと鳴る鼓動に、ジワリと胸に熱を広げながら、僅かに震える指先すらも愛おしく。
そうして抱き寄せた頭を自分の胸に押し当ててみたのなら――年甲斐も無く、そして柄にも無く。少し大きく響くその音は、彼の耳には届いただろうか。]
(7) ねこんこん 2014/10/11(Sat) 05時半頃