[身支度を整え、慣れた足取りで屋敷から出て、通う大学の近くにある商店街へ。
さしてお洒落でも大きくも無い、どこにでもあるような素朴な商店街。
その中を歩いて、朝からやっている肉屋で大きな野菜コロッケを買って、その隣のパン屋でコロッケサンドにしてもらう]
『嬢ちゃん、まぁた朝帰りか?遊び人だなー』
『危ないことしてないならいいんだけどねぇ。ま、朝が早いのはいいことさ。今日はパンがちょうど焼きたてだよ』
危ないことなんてしてないわよ、ちょっとクラスメイトと遊んできただけ
それに、朝早く来たら、おばちゃん達の出来立てが食べられるでしょ?
私好きだからさ、つい来ちゃうんだもん
[いつも買って顔なじみになった肉屋の主人やパン屋のおばさんに軽い小言をもらえば、笑顔で返す。
実際この商店街を気に入っているのは本当だ。どこか家族のように近くて、それでもけして深入りしない距離感が、安心する。それに……]
(6) 2014/10/01(Wed) 01時半頃